中全音律
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中全音律(ちゅうぜんおんりつ)は、西洋音楽の音律のひとつ。ミーントーンとも呼ばれる。
5度を重ね合わせて12音を作る際に、5度の周波数比を、ピタゴラス音律のような純正な5度(周波数比 1.5)ではなく、純正よりも僅かに狭くして周波数比1.49535とすることにより、5度を4回重ね合わせてできる長3度の音程の周波数比が
1.49535 4 / 4 = 1.25 ( 4:5 )
のように純正になるようにした音律。
長3度の音程が純正で完全に澄んだ響きであり、5度も純正からの誤差は半音の1/20ほどなので、比較的美しく響く。そのため、長調の主和音は美しく響くので、和音を重視した音楽を美しく演奏する事ができる。
しかし、この5度を11回重ねて作った12音の最初と最後の音の間の5度は、半音の2/5程度のずれがあり、非常に濁った響きになる。また、その濁った5度を含んだ4つの5度を重ねて出来た長3度も同様に濁った響きになる。これらの濁った響きは実用にならないため、濁った音程を使用する事がないように、演奏する曲の調性に応じて、調律を変更する必要がある。また、作曲の際、中全音律を用いて演奏することを想定する場合は、濁った音程を使わないように注意を払う。そうすることで中全音律の利点を活かすことができる。
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