不動態
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不動態(ふどうたい、不働態とも)とは、金属表面に腐食作用に抵抗する酸化被膜が生じた状態のこと。この被膜は溶液や酸にさらされても溶け去ることが無いため、内部の金属を腐食から保護するために用いられる。なお、かつては「不働態」が正式であったが、現在は、「不動態」が正式である。
酸化力のある酸にさらされた場合や、陽極酸化処理によって生じる。不動態の典型的な被膜の厚みは、例えばステンレスに生じる不動態の場合、数nmである。
すべての金属が不動態となるわけではない。不動態になりやすいのは、アルミニウム、ニッケル、鉄、コバルト、クロム、チタン、タンタル、ニオブなどやその合金である。また、これらの金属は弁金属(バルブメタル)と呼ばれる。
[編集] 実用例
不動態を用いた例として、次のものが挙げられる。
- アルマイト - アルミニウムの陽極酸化処理。希硫酸などを用いた電気分解により、アルミニウム表面に酸化アルミニウムの被膜を形成。
- 電解コンデンサ - アルミニウム、タンタルもしくはニオブを陽極酸化処理し、表面に緻密な酸化被膜を形成した陽極を用いたコンデンサ。
- ステンレス - 含有するクロムの空気酸化により、表面に酸化被膜を形成。
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