レクテナ
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レクテナ(rectenna)とは、rectifying antennaの略でありマイクロ波のエネルギーを直流電流に整流変換するアンテナである。そのエレメントは格子状に配置されており、多くのアンテナとは異なる外観を有する。
最も単純なレクテナはショットキーダイオードをダイポールアンテナの間に配置したものである。ダイオードはマイクロ波によってアンテナに誘導された電流を変換する。ショットキーダイオードは最も電圧降下が低く、最小限の消費電力で済むために用いられる。
レクテナは高効率でマイクロ波のエネルギーを電流に変換する。実験室環境では80%以上もの効率が観測されているが、一般的には70%強である。 また逆レクテナのような、電流をマイクロ波に変換するいくつかの実験が行われているが、その効率は1%よりもはるかに小さい。
これらの高効率と低コストのため、レクテナは宇宙太陽発電所(システム)と呼ばれる人工衛星からのマイクロ波電力伝送に提案されている。 また最近では、電波方式のRFID整流部分にレクテナが応用され始めている。
[編集] 光学レクテナ
同じような装置について、ナノテクノロジーで用いられている比率へ縮小することで、太陽電池よりも高い効率で光を電流に変換することが考えられている。この装置の種類を光学レクテナと呼ぶ。理論的には、装置を縮小しても高い効率が維持できるが、アメリカのNational Renewable Energy Laboratoryにおける実験では、赤外線では遠く及ばない約1%の効率しか得られなかった。