モルフォ
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モルフォチョウ属 Morpho | ||||||||||||||||||
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モルフォチョウ (morpho)は、中央アメリカから南アメリカにかけて80種ほどが生息する大型のチョウの仲間。
分類上はタテハチョウ科・モルフォチョウ亜科・モルフォチョウ族・モルフォチョウ属(Morpho属)に分類されるが、亜科ではなくモルフォチョウ科(Morphidae)という独立した科で扱うこともある。
体にくらべて非常に大きな翅をもち、さらに翅の表面に金属光沢をもつのが特徴である。この光沢はほとんどの種類で青に発色する。これは翅の表面にある櫛形の鱗粉が回折格子として働くため、光沢のある青みが現れる。このような現象を構造色という。また、不規則な軌跡を描いて速く飛ぶのも特徴である。
鮮やかな翅の表にくらべると翅の裏は褐色や灰色のまだら模様がある。また、翅の裏には目玉模様がある種類がほとんどで、分類上はジャノメチョウに近縁とされている。
[編集] 採集方法
モルフォ蝶の採集方法は果実採集と銀紙による採集がある。
果実採集は主に用意するのは腐った果実とサトウキビである。バケツにサトウキビの絞り汁を入れてその中に果実を浸し、木の枝の上などに置いておくというもので、これはカブトムシなどの甲虫等も採集することが出来る。
銀紙による採集は、モルフォチョウの青く反射するものを全て自分の仲間と思って近づいてくる性質を利用したもので、銀紙の反射によってモルフォ蝶をおびき寄せ、網で捕まえる。
この採集方法は当時南アメリカで役人を務めていたフランス人のル・ムールトが考え出した。
[編集] ル・ムールト
ル・ムールト(Le‐Moult 1882-1967)はフランスの昆虫採集家。1882年にフランス西部の土地ブルターニュに生まれ、成人してからは南アメリカに渡りギアナ植民地の刑務所の役人となった。南アメリカには多くの美しい蝶が生息しており、蝶が好きであったムールトは刑務所の囚人たちに蝶を採集させることを考え、囚人たちの採集した蝶は船でヨーロッパに運ばれ売買されその蝶を売った代金は囚人たちが刑期を終え出所する時に持たせた。 彼のコレクションは現在ベルギー博物館に所蔵されている。
[編集] 主な種類
- アキレナモルフォ
- アドニスモルフォ
- アナキシビアモルフォ:ブラジル南部にだけに生息し、羽の色は青色で雌は羽のふちが茶色になっている
- エガーモルフォ
- エロスモルフォ:アマゾン川源流の標高2000m級の産地に生息する。希少種でボリビアに生息する。
- カシカモルフォ
- キプリスモルフォ
- シロモルフォ:名前のとおり羽が白く、羽のふちには茶色の模様があり、腐った果実によく集まる。メキシコに生息。
- タイヨウモルフォ:モルフォ蝶の中でも最大級の茶色の羽をもつモルフォ。ブラジルに生息。
- タミリスモルフォ
- ディダミアモルフォ
- ディディウスモルフォ
- テレマクスモルフォ
- ネスティラモルフォ
- パトロクルスモルフォ
- ブルセウスモルフォ
- メネラウスモルフォ:モルフォ蝶の仲間では一番の普通種。コロンビア、ブラジル、ベネズエラ、ペルーに生息。
- モンテズマモルフォ
- ルナモルフォ
- レテノールモルフォ