モシン・ナガンM1891/30
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正式名称 | モシン・ナガンM1891/30 | |
全長 | 123.2cm | |
銃身長 | 72.9cm | |
重量 | 4.0kg | |
口径 | 7.62mm×54R(7.62mmラシアン) | |
装弾数 | 5発(箱型弾倉) | |
発射速度 | 810m/sec | |
製造国 | 旧ソ連 | |
製造 | 不明 |
モシン・ナガンM1891/30(Мосин-Наган)は、第二次世界大戦に旧ソ連で開発されたボルトアクションライフルである。
目次 |
[編集] 開発経緯
第二次世界大戦以前までソ連赤軍の代表的な小銃としてはモシン・ナガンM1891がある。この小銃は帝政ロシア時代のセルゲイ・モシン大佐とベルギー人のレオン・ナガン兄弟によって開発されたボルトアクションライフルで、1890年代に帝政ロシア軍に制式採用された。当時の小銃は単発後装が主だったが、M1891は5連発の弾倉を装備することで火力も格段にあがった。しかし銃の全長が長く戦場で使うのにはいささか不便であった。また目標までの距離に合わせて設定する照準の部位に帝政ロシア独自の単位を使用していたため、兵士の間では不評であった。
[編集] モシン・ナガンM1891/30の登場
帝政ロシア時代に登場したモシン・ナガンM1891であるが、その後新型の小銃開発は進まず、1920年代に入って赤軍部内でもM1891の老朽化に伴い、新型小銃の開発が不可欠であると判断した。そこで1920年後半に入ってからM1891の改良型の開発に着手しはじめた。そして1930年、モシン・ナガンM1891/30(別名:M91/30)が完成した。改良型であるM1891/30はM1891の問題だった銃身長を短くし、距離単位もメートル法を採用した。機関部に関しては改良前と同じでまた使用弾薬も変更はなかった。また狙撃用の3.5倍(PU型)から4倍用(PE型)のスコープを装着することができ狙撃銃としても使用することができた。 (狙撃銃として使用する場合、装弾するとき直線型ボルトハンドルとスコープが干渉するためボルトハンドルの形状がL字型に変更されている。)
狙撃用のモシン・ナガンM1891/30も同じ名称である。
[編集] モシン・ナガンM1891/30の長所・短所
長所
- 銃身長の短略化により取回しが改善された
- メートル法採用
短所
- 機関部が一世代前と一緒、そのため射程距離に難有。
- 寒冷地による給弾不良が多かった
[編集] モシン・ナガンM1891/30、その後
モシン・ナガンM1891の後継銃としてようやく登場したモシン・ナガンM1891/30は、1930年代の中ごろから前線に配備が開始され、第二次世界大戦を通してソビエト軍にとって代表的な小銃となった。
小銃として開発されたM1891/30であったがソ連の広報、宣伝では狙撃用M1891/30の写真がよく使用された。そのため一般にはM1891/30は狙撃銃として認識されることが多かったようである。M1891/30はその後、大戦終結後の1950年までソ連軍の正式小銃として使用された。
[編集] モシン・ナガンM1891/30の登場するメディア作品
- メタルギアソリッド3(PS2用ゲーム)敵キャラクター、THE ENDが使用(ただし、麻酔狙撃銃に改造されている)。
- メダル・オブ・オナー アライドアサルト リロード(WINDOWS用ゲーム)
- スターリングラード(映画)主人公、ヴァシリ・ザイツェフが使用。