メデジン・カルテル
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メデジン・カルテル(Cártel de Medellín)は、コロンビアの犯罪組織。
メデジン・カルテルはコロンビアの都市メデジンでつくられた、麻薬の密売者のよく組織化された非常にゆるいネットワークで、主に1970年代及び1980年代を通して活動した。パブロ・エスコバルがそれを建ち上げ運営した。資金源は麻薬(特にコカイン)の生産・加工・販売、宝石加工・販売、身代金獲得。その収益は1カ月あたり最大6000万ドルに上り、複数の見積りでは、合計で最大280億ドルの資産があった。カルテルに参加し、或は関わった他の有名な人物はオチョア家、カルロス・レデル、およびジョージ・ユングを含む。メデジン・カルテルはカリ・カルテルと恒常的に争い、また1980年代前半からコロンビア政府と抗争を繰り広げた。コカの生産農家、加工業者、販売業者に支えられたゲリラ的犯罪組織であり、常にアメリカと対立し爆弾闘争や営利誘拐を繰り返している。
幾度にもわたるアメリカ軍の掃討作戦やコロンビア政府による摘発で、大御所の多くが死亡或は逮捕された。カルテルは統一された実体としては消滅しその組織力と影響力の多くを失ったものの、生き残った組織や元成員は国際的な麻薬界で2006年現在、いまだ活動的である。独自の軍隊を保持し、動員力もあり、命脈を保っている。貧困にあえぐ中南米の諸問題が解決されない限り、メデジン・カルテルの壊滅は達成されないであろうという意見もある。2002年以降のウリベ大統領の宣伝によれば、組織は見る影もなく元成員の更生が進められているという。