ミストラル (ミサイル)
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ミストラル(Mistral)は、フランスはマトラ社(現在は、MBDA社)の対空ミサイル。
歩兵の携帯型ミサイルから、ヘリコプターの空対空ミサイル、艦艇の近接防御ミサイルにまで使用され、しばしば発射機の名称で呼ばれるが、ミサイル自体は基本的に共通である。
25ヶ国に採用され、15,000以上のミサイルを販売している。
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[編集] 概要
軽量小型で短射程の打ち放し式ミサイルであり、即応性に優れたミサイルである。
- 射程:6km
- 全長:1.86m
- 直径:90mm
- 重量:18.7Kg
- 速度:マッハ2.5
- 弾頭:3Kg
- 開発:1989年(S1)、1997年(S2)
- 誘導方式:赤外線
- 推進方式:固体ロケット
[編集] 地上型
歩兵が二人一組で使用するMANPAD、車上あるいは地上に設置して使用する連装発射機ATLAS、同じく連装であるが装甲車に追加するターレットのALBIに分かれる。 25kmまでカバーする対空レーダーを持つ統制車両であるMCPにより、ミストラル自体は、短射程の打ち放し式ミサイルであるにもかかわらず、効率的な目標選択を可能としている。
タレス社により、スティンガー兼用4連装発射機ASPICと統制システムMygaleが開発されている。ASPICは、フランス陸軍にも採用されている。また、Mygaleの一種をサマンサ(SAMANTHA)として、こちらも採用している。
[編集] 空対空型
ATAM(Air to Air Mistral)もしくはAATCP(Air-Air Tres Courte Portee)は、空中発射型のミストラルである。ヘリコプターのスタブウイング等に取り付けられる連装発射機から発射される。
[編集] 艦載型
ミストラルの発射機は、連装をシンバッド(SIMBAD)、4連装をテトラル(TETRAL)、6連装をサドラル(SADRAL)と呼称する。また、25/30mm機関砲と組み合わせたシグマ(SIGMA)に、3連装発射機が含まれている。さらに、MANPADを搭載した例も確認されている。
SIMBADのみ手動式であり、それ以外は遠隔制御で運用される。