マネーアイドルエクスチェンジャー
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『マネーアイドルエクスチェンジャー』は、フェイスが制作したアクションパズルゲームである。1997年にアーケードゲームで登場。家庭用ゲーム機や携帯ゲーム機にも移植された。
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[編集] 概要
本作は当時経営難に陥っていたフェイスが起死回生をかけた作品であった。キャラクターデザインには石田敦子、主人公のキャラクターの声優には丹下桜を起用するなど、ゲームシステム以外の面にも力を入れている。元々メディアミックス展開をにらんでおり、後に漫画や小説、ドラマCDなども発売された。しかし、このゲームの売上は芳しくなく、またゲームシステム面でデータイーストから提訴される(後述)などの事態が発生し、結局フェイスは倒産してしまった。
このゲームが失敗した原因として、ゲームシステムが複雑だったことがよく挙げられる。しかしこの複雑さを好むコアなファンは少なくなく、フェイス倒産後もこのゲームを置いているゲームセンターは少なくない。広く一般受けするゲームを作ろうとしたのに、一部の愛好者が長く遊ぶタイプのゲームになってしまったのは少し皮肉と言えよう。
[編集] ルール
[編集] 基本ルール
- 日本の硬貨をモデルにしたブロック(以下コイン)、ならびに特殊ブロックを操作する。
- コインには1円玉・5円玉・10円玉・50円玉・100玉・500円玉の6種類があり、特殊ブロックにはER(青色の玉、Eraseの略)・RU(緑色の玉、RankUpの略)と言う2種類のブロックが存在する。
- フィールドは横7マス×縦12マスの格子で構成される(GB版のみ横7マス×縦9マス)。
- 格子の1マスにつき1枚のコインを置くことができる。
- フィールドの一番下には「ちびキャラ」という、コインを「取る」・「投げる」キャラクターがいる。プレイヤーはこのちびキャラを左右に動かしてコインを操作する。
- 一定時間ごとに、フィールドの上方から横一列分のコインが迫り出してくる。また、手動で迫り出させることもできる(操作方法参照)。
- プレイヤーはフィールド下のちびキャラに、ちびキャラと同じ縦の列にある対象のコインを「取る」ことで、そのコインを持たせることができる。「取る」コインのすぐ上に、同じ種類のコインがある場合はそのコインもまとめて取ることになる(同じ種類のコインならば何個でも「取る」ことができる)。
- ちびキャラが持っているコインは、「投げる」ことでフィールド上に戻すことができる。
- コインを「投げた」際に、1円玉・10円玉・100円玉ならば5つ以上、5円玉・50円玉ならば2つ以上くっついていれば、それらは次のランクのコイン1枚に変化する。500円玉や特殊ブロックは2つ以上くっつくと消滅する。このような変化・消滅を行うと得点になる(特殊ブロック除く)。
- 例)1円玉が5枚以上くっつく→5円玉一枚に 500円玉が2枚以上くっつく→コイン消滅
- 特殊ブロックが消滅すると、それらのすぐ上にある種類のコインに変化をもたらす。ERであれば、ERが消えた際にすぐ上にあった種類のコインがフィールド上から全て消える。RUであれば、すぐ上にあった種類のコインが一段階ランクアップする。(RUの上に1円玉があった場合、フィールド上全ての1円玉が5円玉に変化する)
- コインが消滅すると、その下側に別のコインがある場合は上の方向にシフトする。このときに、消滅・変化する状態になった際には上の項目と同じようにそれらのコインが変化・消滅する。このとき「連鎖」が発生し、通常より高い得点がもらえる。
- コインが変化・消滅している間に、別のコインを変化・消滅する状態にしても連鎖が成立する。(マジカルドロップで言う「後付け連鎖」)。
- コインがフィールドの最下段を超えて迫り出した、あるいは手動でコインを最下段より下にはみ出して置いてしまった場合はゲームオーバーとなる。ただし、コインや特殊ブロックが変化・消滅している最中、もしくは、はみ出して置くことによって変化・消滅するコイン・特殊ブロックがある状態ならば、ゲームオーバーにならない。
[編集] 対戦時のルール
- 対戦形式の場合、コインを消した連鎖数に応じた量のコインが相手のフィールドに迫り出てくる。
- 負けの条件は基本ルールのゲームオーバーの条件と同じである。
[編集] 操作方法
- MVS版の操作方法は以下の通りである
- ちびキャラの左右への移動 : レバーを左右に動かす
- コインを取る : Aボタン
- コインを投げる : Bボタン
- コインを横一列分引き出す : レバーを下に2回入れる
[編集] 登場キャラクター
[編集] 主人公
- 三越さくら (変身後はエクスチェンジャー) [CV.丹下桜]
- 如月女子高等学校普通科2年の女子高生。サクラ銀行の会長を父に持つお嬢様。明るく可愛らしい女の子だが、一方で守銭奴であり非常にお金にうるさい貯金マニア。ブンドルフィンという脳内麻薬を分泌できる能力を持ち、それによって両替戦士エクスチェンジャーに変身する。
- 高島あさひ (変身後はデットマイザー) [CV.野上ゆかな]
- 如月女子高等学校普通科2年の女子高生。弱小銀行であるアサヒ銀行の会長を父に持つ。三越さくらとは友人関係。内向的で地味な性格だが、心の優しい夢見る少女。しかしその人の良さゆえに、さくらにお金を貸しては踏み倒されている。コソドルフィンという脳内物質を分泌できる能力を持ち、借金戦士デットマイザーに変身する。
[編集] マニー教団のメンバー
- ビル=バンク (変身後はコケティバウンサー) [CV.堀江恭章]
- バンク・コンツェルン総雑務長。姉であるノートにこき使われている。
- ルルーラ=フラン (変身後はチェリーバイター) [CV.豊嶋真千子]
- 如月女子高等学校普通科1年の女子高生。ぬいぐるみが大好き。屈託無い純粋な少女に見えるが、人を騙したりするのが大好きな黒い面をもつ。
- セシル=ポンド (変身後はエルディレイバー) [CV.桑島法子]
- 如月女子高等学校普通科2年の女子高生。勉強好きで地味な女の子だが、変身するとなかなか派手で高飛車。しかし、実際はいまいち自分に自信が無いらしい。決め台詞は「そう、私が天才よ。」。
- 嵐崎円 (変身後はエヴリワーカー) [CV.笠原留美]
- 如月女子高等学校普通科3年の女子高生。勤労やスポーツが大好きな熱血少女。コンビニエンスストアでアルバイトをしている。金持ちのクセにケチでふらふらしている三越さくらに喝を入れたいようだ。決め台詞は「24時間労働をなめんなよ!」。
- ノート=バンク (変身後はマイトディーラー) [CV.永島由子]
- バンク・コンツェルン総帥。悪のマニー教団のトップ。20歳と言う年齢の割に老けており、それを指摘されるとキレる。坂田ビリィバーヴに惚れている。
[編集] その他
- 坂田ビリィバーヴ (変身後はマッカーモーカリー) [CV.石川英郎]
- 如月女子高等学校教諭。さくらとは親戚関係。マッカーモーカリーは関西弁をしゃべる正義のヒーローであり、エクスチェンジャー達の実力をチェックしに来る。「坂田先生が変な趣味に走った!」と勘違いした高島あさひにボコられた。
- はにわ
- 「一人で練習」モードにのみ登場する隠しキャラ。
[編集] 各機種版と販売元
[編集] 小説化作品
富士見ファンタジア文庫 『マネーアイドル・エクスチェンジャー』 浅井健吾・執筆、石田敦子・挿絵。
1997年11月初版 ISBN 482912783X
[編集] 漫画化作品
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富士見書房『月刊ドラゴンジュニア』連載。大倉雅彦・画。
単行本は角川コミックス・ドラゴンJr.より発売。全2巻。
- 1998年7月初版 ISBN 4047121592
- 1998年7月初版 ISBN 4047121630
この作品は、主人公の三越さくらの父親がタクシー運転手であるなど、原作や小説版とは大きく設定が異なっている。
[編集] 訴訟問題
このゲームは、両替落ち物ゲーム「もうじゃ」(富士通パソコンシステムズ)と打ち上げ型アクションパズルゲーム「マジカルドロップ」を足し合わせたようなシステムになっている(そのため「マジカルもうじゃ」や「もうじゃドロップ」と揶揄されることがある)。マジカルドロップの版権元のデータイーストは、これを著作権侵害であるとしてフェイスを提訴。しかし、その直後にフェイスは倒産してしまった。
その後、2000年3月23日にアテナから「PS版 マネーアイドルエクスチェンジャー」の廉価版が再販され、2003年6月には原告のデータイーストも倒産し会社清算された。これらの事を見る限りでは、この問題は既に無かったことになっているようである。
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