ボウル・チャンピオンシップ・シリーズ
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ボウル・チャンピオンシップ・シリーズ(Bowl Championship Series, BCS)は、アメリカのカレッジ・フットボールにおいて、BCSボウル・ゲームと呼ばれる5つの権威あるボウル・ゲームの対戦組合せを決定するシステムである。2006年(2005年シーズン)までは、BCSボウル・ゲームは4つであったが、新たに独立したBCSナショナル・チャンピオンシップ・ゲームが開催されるようになり5つに増えた。
BCSボウル・ゲームの出場校は、原則としてそのシーズンの上位10校であり、6つのBCSカンファレンスの各カンファレンスの優勝校と、一般枠(at-large)で選ばれる4つのチームからなる。カレッジフットボールでは、いわゆるポストシーズン・プレイオフが行われず、その代わりにレギュラーシーズン終了後にBCSボウルゲームを含む各種ボウルゲームが行われる。ボウルゲームはそれぞれ単発の試合であり、トーナメントないしはリーグ戦形式とはなっていない。
なお、BCSボウル・ゲームに先行ないしは並行して、その他の上位校を中心に各種ボウル・ゲームが開催される。これらはBCSボウル・ゲームに出場権のないチームによる行われる非BCSボウル・ゲームであり、人気や実力においてBCSボウル・ゲームに譲るものである。
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[編集] BCSボウル・ゲーム
2006年(2005年シーズン)までの方式では、以下の4つのボウルがBCSボウル・ゲームとされていた。
チャンピオンシップ・ゲームは、これらのボウルの間で持ち回りで開催されていた。例えば、シュガーボウルは4年に1度、ナショナル・チャンピオンシップを決める試合となった。この当時の出場校は、6つのBCSカンファレンスの各カンファレンスの優勝校と、一般枠で選ばれる2つのチームである。
2007年(2006年シーズン)のBCSからは、上記4つのボウルに加え、新しく独立したBCSナショナル・チャンピオンシップ・ゲームが開催される。同ゲームは、1月1日(日曜の場合は1月2日)の行われる試合のうち後に行われるボウルゲームの開催地と同じ開催地で、1週間後の1月8日に開催される。
BCSナショナル・チャンピオンシップ・ゲームを戦うのは、レギュラーシーズン終了時点でBCSランキング第1位と第2位にランクされたチームであり、その勝者は、非公式ながらカレッジフットボールのそのシーズンの全米チャンピオンとして扱われる。
[編集] 選出方法
[編集] チャンピオンシップゲーム
まず、BCSナショナル・チャンピオンシップ・ゲームは、BCSランキング1位と2位のチームの間で戦われる。
[編集] BCSカンファレンス
また、以下の6つの主要カンファレンス(BCSカンファレンス)の優勝チームは、自動的にBCSボウルの出場枠を得る。
- アトランティック・コースト・カンファレンス(Atlantic Coast Conference、ACC)
- ビッグ・テン・カンファレンス(Big Ten Conference、Big Ten)
- ビッグ12カンファレンス(Big 12 Conference、Big 12)
- ビッグ・イースト・カンファレンス(Big East Conference、Big East)
- パシフィック10カンファレンス(Pacific Ten Conference、Pac-10)
- サウスイースタン・カンファレンス(Southeastern Conference、SEC)
2007年(2006年シーズン)からは、各カンファレンスの優勝校の各ボウルゲームへの割り振りは以下の通りになる。優勝校がBCSチャンピオンシップ・ゲームに出場する場合には、その部分は一般枠として扱われる。
- ローズボウル - Big Ten優勝校 対 Pac-10優勝校
- フィエスタボウル - Big 12優勝校
- オレンジボウル - ACC優勝校
- シュガーボウル - SEC優勝校
Big Eastの優勝校は、4つの一般枠校と同じプールになる。
2005年のBCSランキングをこの新システムに当てはめると、出場校は例えば以下のようになる。
- BCSチャンピオンシップ: USC (Pac 10) 対 テキサス (Big 12)
- ローズボウル: ペン・ステート (Big Ten) 対 一般枠 (USCの代わり)
- フィエスタボウル: ウエストバージニア (Big East) 対 一般枠 (テキサスの代わり)
- オレンジボウル: フロリダ州立 (ACC) 対 一般枠
- シュガーボウル: ジョージア (SEC) 対 一般枠
[編集] 一般枠
残りの一般枠は、上記カンファレンスの優勝校以外のチームか、上記カンファレンス以外のチームに、以下の手順で割り振られる。
- 最終BCSランキング1位または2位の一般枠チームは自動的に出場枠を得る。
- 最終BCSランキング6位以内の独立校、非BCSカンファレンス校は自動的に出場枠を得る。この方法で出場資格を得るチームがある場合、ノートルダム大学は9勝以上するかBCSランキングで10位以内に入ると出場資格を得る。
- 最終BCSランキング3位または4位で、他の一般枠チームよりも上位のチームは自動的に出場枠を得る。
上記のステップの途中で枠が埋まった場合には、そこまでで出場チームは決定する。最後まで枠が埋まらない場合には、ランキング12位以上で9勝以上の学校がさらに候補となる。
[編集] BCSランキング
BCSランキングは、
- ハリス・インタラクティブのランキング
- USA Todayのコーチの投票によるランキング
- 6つのコンピュータ・ランキング
の3種のランキングに基づいて決定される。
具体的には、3つのランキングがそれぞれ算出する割合値の単純平均が大きいチームから、BCSランキングで上位に位置づけられることとなる。
[編集] 各ランキングの詳細
- 「ハリス・インタラクティブのランキング」は、元監督・選手などの関係者、メディア関係者などから選ばれた114名の投票パネルのメンバーがそれぞれ決定した25位までのランキングを元に計算される。各投票者について1位は25点、2位は24点、以下同様に25位の1点までを各校が得票する。1位票25点に投票人数を乗じた「満票」に対する各校の得票割合がBCSランキングの計算には用いられる。なお、投票パネルのメンバーは各カンファレンスや独立校からの300名以上の候補者から選出され、各カンファレンスや独立校を代表するメンバーとして統計的に妥当なメンバーとされている。
- 「USA Todayのコーチの投票によるランキング」は、63名のDivision I-Aに所属するチームの監督による投票により求められる。ランキングの計算方法はハリス・インタラクティブと同様。
- 「コンピュータ・ランキング」に用いられるのは、Jeff Anderson-Chris Hester、Richard Billingsley、Wes Colley、Kenneth Massey、Jeff Sagarin、Peter Wolfeの6種である。6種類のコンピュータ・ランキングはそれぞれ独自の方法論により1位から25位までのランキングを算出し、他のランキング同様1位校に25点、2位に24点と順に続き25位には1点が割り当てられる。各校について、最高点と最低点を与えたランキングを除いた4種類のランキングの合計点が各校の得点となる。「満点」が100点となることから、得点をパーセントとしてみた値がBCSランキングの計算に用いられる。各コンピュータ・ランキングの順位算出方法の詳細は明らかにされていないが、全てのコンピュータ・ランキングにおいて対戦相手の強さを主に意味する「日程の厳しさ(Schedule Strength)」が考慮されているという。
[編集] 2007年(2006年シーズン後)のスケジュール
- 1月1日(月) - ローズボウル
- 1月1日(月) - フィエスタボウル
- 1月2日(火) - オレンジボウル
- 1月3日(水) - シュガーボウル
- 1月8日(月) - BCSチャンピオンシップ(アリゾナ州グレンデール、フィエスタボウルの開催地)
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- Home page of the Bowl Championship Series - 公式サイト(英語)
- Comprehensive FAQ about the BCS - よくある質問(英語)
- The "Notre Dame" clause in the BCS contract - BCSの契約中のノートルダム大に関する条項(英語)