ベヌエ川
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ベヌエ川(Benue River, Bénoué Rivière)は、ギニア湾に注ぐニジェール川の最大の支流。 全長約1370kmにわたり、雨季である夏季中の航行が可能。そのため、流域の重要な交通路となっている。
チャド現地語で水の母という意味がある。イギリス人のアフリカ探検家であるエドワード・フレーゲルが1882年9月にアダマワ(Adoumaoua)高原の南部、カメルーン北部のンガウンデレ(Ngaoundéré)の北に源流を発見した。源流の位置は、北緯7度30分、東経13度である。
ベヌエ川はまず北上した後、ガルワ(Garoua)などを通って西に流れ、ナイジェリアに入り、アダマワ州の州都であるヨラ(Yola)、イビ(Ibi)、ベヌエ州の州都であるマクルディ(Makurdi)を通過する。コギ州の州都であるロコジャ(Lokoja)でニジェール川に合流する。ベヌエ川の最大の支流はマヨケビ川(Mayo-Kebbi)。洪水時にはチャド湖水系に属するロゴーヌ川(Logone)とつながる。なお、1986年にはベヌエ川源流とガルワの間に利水、治水、発電用に高さ40mのロックフィルダムであるLagdoダムが建設された。ダムの南には人造湖であるLagdo湖が広がる。
[編集] 世界遺産
ナイジェリア唯一の世界遺産が、カメルーン国境に近いベヌエ川沿岸のスクル(Sukur)である。位置は北緯10度44分26秒、東経13度34分19秒。1999年に文化遺産として指定された。丘の上にある首長を意味するHidiという名が付けられた宗教的なシンボルともなっている宮殿と、支配下にある段々畑の村落の対比で知られる。