ブルーズ・アンド・ロイヤルズ
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ブルーズ・アンド・ロイヤルズ (The Blues and Royals)は、イギリス陸軍 (British Army) の騎兵連隊。ライフガード連隊 (The Life Guards) とともに王室騎兵隊 (HHC:Household Cavalry) を構成する。
ブルーズ・アンド・ロイヤルズの名称は、同連隊が王立近衛騎馬連隊 (The Royal Horse Guards) 通称ブルーズ (Blues) と、王立近衛竜騎兵第1連隊 (First The Royal Dragoon Guards) 通称ロイヤルズ (Royals) が合併して設立されたことによるものである。
連隊は3個中隊編制で、2個中隊はライフガードの2個中隊とともに王室騎兵連隊 (HCR:Household Cavalry Regiment) を構成し、スコーピオン・ストライカー・スパルタンなどの装甲戦闘車両をもちいて、第16航空強襲旅団を含む第3師団に対し装甲偵察能力を供給することを任務とし、残りの1個中隊は同じくライフガードの1個中隊とともに王室騎兵乗馬連隊 (Household Cavalry Mounted Regiment) を構成し、おもに儀仗兵としての任務をおこなう。やや煩雑な編制であるが、これはイギリス陸軍の縮小後も各連隊の長く、そして独自の伝統を守るための措置である。また、王室騎兵隊自身が "The best of both world" と謳うように、戦闘任務と儀仗任務は連隊にとってどちらも最重要任務であり、どちらかの任務が「片手間」であるようなことは決してない。
ブルーズ・アンド・ロイヤルズは上記の通り機甲部隊の性格を持つが、王室騎兵隊自体が格式上は軍団と同格であるため、王立機甲軍団には形式上所属していない。
ライフガード連隊かブルーズ・アンド・ロイヤルズ連隊に勤務するためには、基本軍事教育(兵の場合は12週間)を受けた後、王室騎兵連隊要員は戦闘装甲車両操縦者の教育等を受ける。王室騎兵乗馬連隊要員は乗馬学校において16週間の乗馬教育を受ける。その後、ライフガード連隊かブルーズ・アンド・ロイヤルズ連隊に配属される。王室騎兵乗馬連隊として儀仗任務をしている騎兵であっても2年間勤務した後は一旦、儀仗任務を離れ、戦闘装甲車両の教育を受けて装甲偵察任務に就かなければならない。英国では真の騎兵隊員は乗馬と装甲偵察の両方の任務について精通しなければならないと考えられているからである。
王室騎兵隊の名称は形式のみのものではなく、現在においても王室の護衛はきわめて重要な任務であり、ウィンザー城またはバッキンガム宮殿に危険な事態が生じた場合は、いつでも緊急出動がとれる体制が整えられている。実際、ウインザー城火災の際にはブルーズ・アンド・ロイヤルズの部隊も消火活動の支援にあたっている。
王室騎兵隊には軍曹がおらず、下士官はすべて伍長であるなど他のイギリス軍部隊とはことなる階級呼称と階級章をもちいることで知られている。なお、連隊の下士官がすべて伍長であるのは、Serjeant(Sergeantの古名、軍曹の意)が召使という意味を含むことから、全員がジェントリの出身者であった王室騎兵隊の下士官にはその名称がふさわしくないとされた伝統を引き継ぐ、あくまでも名称のみのものであって、連隊先任伍長(Regimental Corporal Major)が1等准尉相当格であるなど、実際の階級はその職責に見合ったものとなっている。またライフガードにもない独自の通称としてブルーズ・アンド・ロイヤルズでは少尉に対しコルネッツの呼称を用いる。
2006年4月以降、サンドハースト王立陸軍士官学校を卒業したヘンリー王子がブルーズ・アンド・ロイヤルズにおいて軍務につく予定である。