ハクビシン
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ハクビシン | ||||||||||||||||||
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分類 | ||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||
Paguma larvata | ||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||
ハクビシン |
ハクビシン(白鼻芯, Masked Palm Civet, 果子狸)は、ネコ目(食肉目)ジャコウネコ科に属する動物である。学名はPaguma larvata。その名の通り、額から鼻にかけて白い線があることが特徴である。東南アジアから中国を中心に分布している。日本に生息する唯一のジャコウネコ科の動物である。
日本では四国と本州の東半分に生息している。奥尻島に生息しているとの報告もある。日本の固有種なのか移入種なのかははっきりしない。国内に生息しているという最初の確実な報告は1945年、静岡県におけるものである。それ以前の古文書における生息の記載や、化石記録が存在しないことから、外来種とされてきたが、日本列島に現在生息している個体群は顔面の斑紋などが他の分布域のものと異なることから、日本に自然分布している固有の独立亜種である可能性を唱える説もある。
目次 |
[編集] 特徴
頭胴長約50cm、尾長約40cm、体重2~3kg程度。オスのほうがメスよりひと回り大きい。ネコのような体つきで鼻すじが長い。体は暗い灰褐色で頭、手足、尾が黒い。額から鼻にかけて白い線があり、頬も白い。オス、メス共に性器のそばにウズラの卵よりひと回り大きな「会陰腺」を持っている。足指の数は前後共に5本である。これによって、足指の数が4本のタヌキなどと足跡を見分けることが出来る。
[編集] 生態
植物食中心の雑食性で、果実、種子、小動物、鳥、鳥の卵などをたべる。なかでも果実を好む。木登りが得意である。樹洞、タヌキなどの使い古しなどの巣穴などを棲みかにする。民家の軒下などに住みつくこともある。夜行性で、昼間は棲みかに潜んでいる。
年間を通して発情・出産をする。ただし、同じメスが年に2回以上の出産するかは明らかになっていない。妊娠期間は2ヶ月で、1~4子を出産する。母子を中心とした家族で生活しており、10~20頭程度の群れをつくることもある。この群れは複数の家族による共同体と考えられる。
[編集] 人間との関わり
果樹園に入り込み、ミカン、モモ、ナシ、カキなどを食べ荒らすことで、深刻な農業被害を与えることがある。「鳥獣保護法」により、狩猟獣に指定されている。