ハイパートンネルズ&トロールズ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『ハイパートンネルズ&トロールズ』とは、テーブルトークRPGのルールシステムの一つ。プレイヤーはファンタジー世界の一人の冒険者となり、ゲームマスターから提示された課題(ダンジョン探索や誘拐事件の解決など)をクリアすることになる。5 - 6人のプレイヤーでパーティを組んでプレイするのが最適。ダメージ判定や行動の成否判定はサイコロを使って行う。 略称は、ハイパーT&TあるいはHTTなど。
ケン・セント・アンドレらによるテーブルトークRPG『トンネルズ&トロールズ(以下、T&T)』をもとに、安田均、清松みゆきらグループSNEのメンバーがルール改変等を行ったもので、1991年に最初のルールブックが社会思想社より(T&Tの追加ルールと言う位置づけで)出版された。その後、1994年6月に角川書店(角川スニーカー・G文庫)より(T&Tがなくてもプレイできるよう編集された)リニューアル版のルールブックが発刊されており、通常、こちらのルールに従ってプレイされる。
T&Tは、ダンジョン探索に特化したルールシステムだったが、スキル制やハイパーポイントなどの導入によりシティアドベンチャーにも対応できるようになったことが大きい。
- スキル制
- 行動の成功/失敗を判定する際に、行動に対応したスキルを持っていると成功しやすくなる。例えば、ある河を渡れるかどうかを判定する時に、従来は「体力」のないキャラクターは誰でも失敗しやすかったところ、「水泳」スキルを持っている人は体力がなくても成功しやすくなる。
- ハイパーポイント
- 各キャラクターは自分の強さに応じた『ハイパーポイント』をもっており、このポイントを消費することで、1回だけ行動の成否判定に成功しやすくしたり攻撃力を上げたりといったことができる。
その他の多くの部分では、テーブルトークRPGの黎明期に作られたT&Tの特徴を、ほぼそのまま受け継いでいる。 すなわち、スピーディーかつ大胆なゲーム進行が可能で、ダイナミックなストーリー展開に向いているが、反面、戦闘中ふつうならありえない出来事(例えば一人の熟練戦士が50体の敵を一撃で退治する)が起こりやすくなっており、細かな面でのバランスは悪い。 また他のテーブルトークRPGに比べて、強力な魔法や武器を比較的弱いうちから使えるのも特徴で、中レベル以上になるとゲームバランスの調整に苦慮することになる。
[編集] 関連書籍
- 『ハイパー・トンネルズ&トロールズ(1991年4月出版)』
- 同ゲームの旧ルールブック。
- 『ドラゴンズ’ヘヴン(1994年1月/9月/12月出版)』
- 同ゲームのリプレイ小説。キャラクター作成時は旧ルールだが、ゲーム進行は新ルールに従っている。全3巻。
- 『ハイパーT&Tルールブック(1994年6月出版)』
- 同ゲームの新ルールブック。旧ルールから若干の変更が加えられている。
- 『ドラゴン大陸(1995年7月出版)』
- 同ゲームのワールドガイド。背景世界の設定集。
- 『モンスター!モンスター!!(1995年11月出版)』
- 同ゲームのデータブック。追加ルールやアイテム、魔法、魔物の追加などが行われている。
- 『ドラゴン大陸興亡記(1996年4月/8月/11月/1997年3月出版)』
- 同ゲームの背景世界を舞台とする小説。全4巻。ストーリーは、リプレイ小説『ドラゴンズ’ヘヴン』の続きになっている。
- 『空からの落とし物(1996年5月出版)』
- 『傭兵剣士(2006年11月出版)』
- T&Tのソロアドベンチャーと、それを元にしたセッションのリプレイ小説のダブルブック。このリプレイは元々グループSNEのサイトで掲載されていたもので、ハイパーT&Tのルールが使用されていた(ただし、この本では第7版のルールに沿うよう変更がなされている)。