ニコラウス・ステノ
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ニコラウス・ステノ(Nicolas Stenoはラテン名、デンマーク名はニールス・ステーセン Niels Steensen, 1638年1月10日 - 1686年11月26日) はデンマーク生まれの17世紀の科学者、化石の研究から地層の生成を考察した『固体について』は地質学のパイオニア・ワークである。解剖学の分野で耳下腺管(ステノ管)を発見した。
[編集] 生涯
ステノはコペンハーゲンの金細工職人の息子として生まれた。コペンハーゲン大学に学んだが、スウェーデンとデンマークの間で戦争がおこり、学業を続けるためにアムステルダムに移らざるをえなくなった。ライデン大学で医学の学位をえた後、解剖術の才能を示し、有名な解剖学者となった。解剖学の著書『脳の解剖についての講義』がある。その後1年ほどパリに滞在した後、1665年フィレンツェに移り、アカデミア・デル・チメントのメンバーになりフェルディナンド・デ・メディチの保護をうけて、自然科学の研究をおこなった。自らの解剖学的知識と化石の類似とイタリアの地形、地層の調査から、地層の生成に関する研究の成果『固体について』を出版した。その後、フィレンツェでカトリックに改宗して神学の勉強を始め、司祭に叙階された。やがて司教にまで上げられたが、晩年は科学的研究から離れていた。教皇ヨハネ・パウロ2世の手によって福者の位にあげられている。
[編集] 関連書籍
評伝『なぜ貝の化石が山頂に?』("The Seashell on the Mountaintop")アラン・カトラー著、鈴木豊雄訳、清流出版