トレインスポッティング
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
トレインスポッティング Trainspotting |
|
監督 | ダニー・ボイル |
---|---|
製作 | アンドリュー・マクドナルド |
脚本 | ジョン・ホッジ |
出演者 | ユアン・マクレガー ロバート・カーライル ケリー・マクドナルド |
撮影 | ブライアン・テュファーノ |
編集 | マサヒコ・ヒラクボ |
公開 | 1996年2月23日 1996年11月30日 |
上映時間 | 94分 |
製作国 | イギリス |
言語 | 英語 |
制作費 | $3,500,000 |
allcinema | |
IMDb | |
(■テンプレート/■ノート) |
「トレインスポッティング」(Trainspotting)は1996年製作のイギリス映画である。監督はダニー・ボイル、原作であるアーヴィン・ウェルシュの同名小説を映画化した。スコットランドを舞台に、ヘロイン中毒の若者達の日常を描く。
目次 |
[編集] ストーリー
レントンと仲間たちは、いつもハイになっているか、ドラッグを買うために盗みをしているかのどちらかだ。アル中で喧嘩が趣味のべグビー。女たらしで007オタクのシックボーイ。気のいい小心者のスパッド。そして、SEXもドラッグもOKの女子中学生、ダイアン。そんな彼らの友情にもやがて崩壊の運命をたどる。圧倒的な絶望感の中、人生を変えるために賭けに出るレントン。彼はどんな未来を選ぶのか。
『人生を選べ、キャリアを選べ、家族を、テレビを、洗濯機を、車を、CDプレイヤーを選べ、電動缶切り機を選べ、自己中心のガキになることほどみっともないことはない、未来を選べ・・・。だけど、それがいったい何なんだ。』
“陽気で悲惨”な日常の中で「幸せな生活とは何か」と自分へ問いかけるレントンは、一つの答えを導き出していく。
Underworldの「Born Slippy Nuxx」などの名曲が作品独特の雰囲気を盛り上げ、青年期を疾走するレントンの姿を爽やかに演出している。ラストのシーンは印象的。
[編集] キャスト
- ユアン・マクレガー:マーク・レントン
- ロバート・カーライル:ベグビー
- ケリー・マクドナルド:ダイアン
- ジョニー・リー・ミラー:シック・ボーイ
- ユエン・ブレムナー:スパッド
- ピーター・ミュラン
- ケヴィン・マクキッド
[編集] スタッフ
- 監督: ダニー・ボイル
- 製作: アンドリュー・マクドナルド
- 原作: アーヴィン・ウェルシュ(「トレインスポッティング」 / 青山出版社刊 書籍情報: ISBN 4-90-084523-X)
- 脚本: ジョン・ホッジ(本作で97年アカデミー賞ノミネート)
- 撮影: ブライアン・テュファーノ
- 衣裳: レイチェル・フレミング
[編集] 作品背景
本作の舞台はスコットランドであり、主人公を演じるユアン・マクレガーやダイアン役のケリー・マクドナルドもスコットランド出身である。
日本ではUnited Kingdom(UK)もイギリスと呼び、England=イギリス(英国)と教わるため、United Kingdomの一部であるスコットランドはEnglandの一部であるといった間違った印象を持つ人も多いが、スコットランドはUnited Kingdom(連合王国)に属し、同じく連合王国に属するEnglandとは異なる。スコットランドは元々一つの独立国であって、スコットランド人は(Englishという意味の)イギリス人とは異なり、多くのスコットランド人がイギリス人と呼ばれるのを嫌う。スコットランド人はScottish、イギリス人はEnglishと呼ぶのが一般的である。
17世紀、当時のイングランドの女王エリザベスの死に際し、女王の遺言により当時のスコットランドの国王ジェームス6世がイングランドの王位も継承することとなり(ジェームス6世の曾祖母はイングランド王家出身であり、ジェームス6世にはイングランドの王位継承権もあった)、スコットランド・イングランドで共通の国王が誕生することとなり、後に連合王国という形式へと移行していった両国であるが、現在では両者の立場が対等でないなどの問題が指摘されている。
作品中においてそういったスコットランドの歴史的背景についてふれているシーンもあり、スコットランドという国の歴史を知るとより深く作品を知ることができる。また、スコットランドは独立の議会を有し、独自の紙幣の発行が許され(1ポンド紙幣はスコットランドにしかない)、教育制度や法制度もイングランドとは異なる。
作品中においてダイアンは中学生であるが、スコットランドでは7年制のプライマリスクール(5歳~12歳)と6年制のセカンダリスクール(13歳~19歳)という教育制度を採っておあり、厳密には日本の中学生とは異なる。ちなみにスコットランドにおける義務教育はセカンダリスクールの4年生(16歳)までである。
また、作品中によく話に出てくるショーン・コネリーもスコットランド出身であり、007オタクのシック・ボーイ役のジョニー・リー・ミラーの祖父は007シリーズに出演したバーナード・リーであることも面白い。
[編集] タイトルの由来
トレインスポッティングとは鉄道マニアが列車の番号票・認識票を収集すること。原作者はこれをヘロイン中毒の隠喩として使っている。(en:Train spotting)