タンガニーカ湖
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
|
||||
---|---|---|---|---|
タンガニーカ湖の位置(赤矢印) |
||||
所在地 | タンザニア、ザンビア、 コンゴ民主共和国、ブルンジ |
|||
面積 | 32,900 km² | |||
周囲長 | 1,900 km | |||
最大水深 | 1470 m | |||
平均水深 | 572 m | |||
貯水量 | 17800 km³ | |||
水面の標高 | 773 m | |||
成因 | 構造湖 | |||
淡水・汽水 | 淡水 | |||
湖沼型 | - | |||
透明度 | 5~19 m |
タンガニーカ湖(Lake Tanganyika)は、タンザニア西端にある淡水湖。 タンザニア、ザンビア、コンゴ民主共和国、ブルンジに面する。
南緯3°25'~8°45'、東経29°10'~31°10'、海抜773mに位置し、東西40-50Km、南北650Kmに細長くのびる。面積は32,900 km²で、アフリカで2位、世界で5位。深さは平均水深570m、最大水深1471mでアフリカで1位、世界で2位。周囲は1900km、貯水量約17800km³。バイカル湖に次ぐ世界で2番目に古い古代湖(推定2000万年)といわれる。アフリカの大地溝帯・グレート・リフト・バレーによって形成され、地溝帯内にある最大の湖で、西リフト・バレー内にある。非常に深いことなどから深層の水は流動せず、「化石水」と呼ばれる無酸素状態の水塊となっている。集水域は約231,000 km²で、主要な流入河川は、キブ湖から出てタンガニーカ湖北岸に流入するルジジ川と、タンザニアで2番目に大きく、タンガニーカ東岸に流入するマラガラシ川であるが、このほかにも無数の小河川が湖に注ぎ込んでいる。一方、流出河川は西側にあるルクガ川のみであるため、湖水の滞留時間が非常に長く(1000年にも及ぶといわれる)、その90%以上は蒸発により失われるとされる。なおルクガ川は下流でコンゴ川に合流している。
1858年、ナイル川の源流を探検していたイギリスの探検家リチャード・バートンとジョン・スピークによって「発見」された(欧米人に知られるようになった)。なお、スピークはその後ナイル川の源流がビクトリア湖であることを突き止めている。
世界でも固有種の多い湖として有名で、ここに生息する魚の約80%、貝類の約90%が固有種である。多くの淡水魚やデンキナマズ、肺魚などが生息する。湖で最も個体数の多い魚はニシン科の2種(Limnothrissa miodonと Stolothrissa tanganicae)とアカメ科アカメ属Latesの4種の合計6種の遊泳魚で、魚類の現存量の大部分を占ている。しかし種として見ればこれらはごく一部であり、湖からは少なくともシクリッドが300種とそれ以外の魚が150種ほど知られており、その大部分は底生魚(主として湖底付近で生活する魚)である。約300種のシクリッドのほとんど(90%以上)が固有種で、このような固有化は無脊椎動物にも起こっており、貝類、ヒル類、カイアシ類(橈脚類)、カニ類などで顕著である。特にカワニナ類には一見海の貝のように見えるものも多く、他の淡水域には見られない際立った進化を見せている。水質がやや強いアルカリ性であるため、貝類の死殻の多くは溶解せずに長期間堆積しており、無数にあるNeothauma tanganyicense(タニシ科)の空殻はカニの隠れ家となったり、住処や産卵シェルターとしてそれらを使うように進化したシクリッドなども生息する。
湖の魚は周辺地域に住むの人々の主要なタンパク源となっている。湖の周囲では約800箇所で漁業が営まれ、漁業に直接かかわっている人が約4万5000人、間接的に依存している人は約100万人といわれる。タンガニーカ湖産の魚は東アフリカ全域にも輸出されている。商業漁業は1950年代半ば始まり、1995年の総漁獲量はおよそ18万トンであった。商業漁業は漁獲対象である遊泳魚種に対し重大な影響を及ぼしているともいわれ、初期からの水産会社の中には、漁業がもっとも盛んであった1980年代に急成長したものの、その後倒産してしまったものもある。
[編集] 外部リンク
- World Lakes Detabese 世界の湖データベース
- タンガニーカ湖詳細マップ (1,16 MB)
- タンガニーカ湖生物多様性プロジェクト(英語・仏語)
- タンガニーカ湖のPlatythelphusa属カニ類(英語)
- タンガニーカ湖産シクリッド(日本語)