ソイレント・グリーン
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『ソイレント・グリーン』(そいれんと・ぐりーん、Soylent Green)は1973年のアメリカ映画。ハリイ・ハリスンの小説『人間がいっぱい』をベースとした、人口増加により資源が枯渇し格差が拡大した、暗鬱な未来社会をで起こる殺人事件とその背景を描いたSF映画。 1974年のアヴォリアッツ国際ファンタスティック映画祭でグランプリを受賞。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
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[編集] ストーリー
2022年、留まるところを知らない人口増加により、世界は食住を失った人間が路上に溢れ、一部の特権階級と多くの貧民という格差の激しい社会となっていた。肉や野菜といった本物の食料品は宝石以上に稀少で高価なものとなり、特権階級を除くほとんどの人間は、ソイレント社が海のプランクトンから作る合成食品の配給を受けて、細々と生き延びていた。そしてある夜ソイレント社の幹部(ジョセフ・コットン)が殺害される。ニューヨークに住む、殺人課のソーン刑事(チャールトン・ヘストン)は、同居人の老人・ソル(エドワード・G・ロビンソン)の協力を得て捜査に乗り出すが、様々な妨害を受けた後、新製品ソイレント・グリーンの配給中断による暴動のどさくさに紛れて暗殺されそうになる。
そんな中、自室に戻ったソーンは、ソルが「ホーム」に行ったことを伝えられる。慌ててホーム=公営安楽死施設に向かったソーンは、真実を知ってしまったが故に死を選ぶしかなかったソルの最後を見届けることになる。草原や大海原などの映像とベートーベンの「田園」に包まれてソルが死んだ後、ソーンはその死体を追跡する。そしてソルの死体がトラックでソイレント社の工場に運び込まれ、人間の死体からソイレント・グリーンが生産されている事実を突き止める。その後、暗殺者の襲撃を受け、彼らを倒したものの自身も深手を負ったソーンは、病院に搬送されながら叫ぶ。
「ソイレント・グリーンの原料は人間だ。早く何とかしないと、今に食糧生産のために人間を飼うようになる。その前に何とかしなくてはならないんだ!」
[編集] スタッフ
- 製作:ウォルター・セルツァー 、ラッセル・サッチャー
- 監督:リチャード・フライシャー
- 脚本:スタンリー・R・グリーンバーグ
- 原作:ハリイ・ハリスン
- 音楽:フレッド・マイロー
[編集] キャスト
- チャールトン・ヘストン
- エドワード・G・ロビンソン
- チャック・コナーズ
- ジョセフ・コットン
[編集] 備考
- 1974年アヴォリアッツ国際ファンタスティック映画祭グランプリ受賞。
- ラストの「人間を飼うようになる」という台詞の伏線として、既に特権階級では若く美しい女性を家具として部屋に置くことが当然となっている。
- PSゲーム『ゼノギアス』(スクウェア)には、人間を食料として再利用する「ソイレントシステム」が登場する。
- PSゲーム『みつめてナイトR 大冒険編』(コナミ)には、保存食「S・グリーン」というアイテムや、ソイレント大陸といった地名が登場する。
- 人間を食料に再利用するというアイデアは、諸星大二郎やかえるプロの漫画作品に流用されたものがある。
- ソルに代表される複数の老人は、幾多の書物から知識を得て自らも「本人間」ともいうべき存在となっており、レイ・ブラッドベリの「華氏451度」に登場する、本をまるごと一冊あるいはそれ以上そらんじることのできるレジスタンスを連想させる。また行動者としてのソーンとの名コンビぶりは、アニメ「THE ビッグオー」のビッグイヤーとロジャー・スミス、あるいは現実世界の税理士や司法書士(官庁OBのベテランと国家試験合格者の気鋭がコンビを組んで効率よく業務を行うことがままある)を髣髴させる。
- 「ソイレント」とは大豆とレンズ豆から連想された造語と言われている。豆腐が食肉の代用となることもある現在ではアイロニカルに感じられる設定である。
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