スーパービックリマン (アニメ)
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スーパービックリマンは 1992年5月17日から1993年4月4日までにテレビ朝日系列で放映された、『ビックリマン』シリーズの外伝的展開シール『スーパービックリマン』を原作にしたテレビアニメ。伝説の4人の戦士のセントフォースを受け継ぐ少年達と巨魔界神ザイクロイド・アノドを復活させようとするスーパーデビル軍団との戦いを描く。
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[編集] 概要
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
今までのビックリマン世界とは違った世紀末SFファンタジーアクションの世界、また作品に登場するキャラクターが二頭身から五~六頭身に変化するなど、旧来のビックリマンに親しんだファンは戸惑いを覚えた。この作品の大きな特徴は、戦闘に入る際に「サイバーアップ!!」と叫び機械的なプロテクターを装着し、またセントフォース・デビルフォースという理力の概念に見られる「聖闘士星矢」のような「気」や「プロテクター物」の価値観。ヒーロー物に徹しコミカルさをなるべく排した非常にハードなストーリーと、今までのビックリマンとは一線を画している。最終回ではストーリー全般において悪魔側が復活させようとしていた巨魔界神ザイクロイド・アノドが、世界を創造した超聖神と同一人物であったことが明かされ、アノドを封印したため世界そのものが崩壊してしまう。この、未完となったシールや漫画とは違った、あまりにショッキングで衝撃的なラストに見られるアニメオリジナルの解釈に、ファンの間での賛否両論が今でも起こっている(漫画ではアノドと超聖神が同一の存在であるということは明かされている)。
尚、後に発表されるビックリマン2000は、本作の最終回において創造された世界の、さらにはるかな時を経た時代の世界が舞台である。2000の世界を作ったのはフェニックス達4人であり、それ故に彼らが超聖神と呼ばれている。これに対しアノドは、初代超聖神と呼ばれたりしている。
[編集] 放映データ
放映キー局:朝日放送
放映話数:全44話
放映形態:モノラル放送
最高視聴率:14.2%
最低視聴率: 7.7%
平均視聴率:10.6%
[編集] 主なスタッフ
プロデューサー:平尾和也(ABC)、亀山泰夫(ASATSU)、旗野義文、関弘美
シリーズ構成:松井亜弥
音楽:有澤孝紀
製作担当:藤本芳弘
美術デザイン:浦田又治
キャラクターデザイン:青山充
シリーズディレクター:貝澤幸男
製作:ABC・ASATSU・東映
[編集] キャラクター(声の出演)
[編集] 伝説の4戦士
- (大聖)フェニックス:草尾毅
悪魔軍の襲撃の際に天地球に逃れた主人公の少年。アンドロココの理力と使命を受け継ぐ。初めは世間知らずのお坊ちゃまだったのだが、戦いの中で経験を積み重ね、次第に一人前の戦士に成長していく。武器はショットビーム十字剣だが、アノドのデビルフォースの力によって破壊された後は、沈黙の森の試練によって手に入れたクロスビーム天聖剣を使用。必殺技は消魔鳳凰斬、後にフェニックス聖鳳斬に強化。『ビックリマン2000(シール)』での名前はアツィルトフェニックス。
- (海天聖ビシュヌ)ティキ:柏倉つとむ
天地球より遥か彼方の、海の帝国アクアンヌーンの王子。戦士としての自覚が足りないフェニックスを快く思っておらず、アノド封印の為の石板の欠片探しの時に喧嘩を起こすこともしばしば。だが幾多の戦いの中で互いを認め合う仲になってゆく。ハムラビシーゲルの理力と使命を受け継ぐ戦士。異星剣を武器に必殺技・海天聖龍と海龍雷撃を放つ。フェニックスとの連携で龍鳳斬という協力技を出す事も。『ビックリマン2000(シール)』での名前はイエツィラーティキ。
- (倭天聖イザナ)アスカ:浦和めぐみ
ひょんなことから一緒に旅をする小柄な少年。1人で生きてきたおかげか4人の中でサバイバル能力に長ける。フェニックス達と一緒に戦えない自分に苛立つことがあったが、デビルゼウス一味との決戦の前に見事サイバーアップを果した。スサノオロ士の理力と使命を受け継ぐ戦士。武器は菱形が連なった独特の鎖、八蛇ラッシュ。これで敵を締付ける闘い方をする。ほかに亀甲シールドという防御技も。『ビックリマン2000(シール)』での名前はアッシャーアスカ。
- (月光聖アマゾ)アムル:山崎和佳奈
フェニックスと一緒に旅をする少女。性格は優しく面倒見が良いが、実は天使と悪魔の混血であるハーフデビルという複雑な一面を持つ。それゆえにザイクロイド・アノドのデビルフォースに冒されデビルゼウス軍団に加わったことも。だがマーニャとの魂の融合によって、シヴァマリアの理力と使命を受け継ぐ戦士に進化した。サタンソードという形状が斧に近い武器を使う。必殺技は魔月華と妖狐聖魔弾。『ビックリマン2000(シール)』での名前はベリアーアムル。なお、漫画版には登場せず、シルヴァ・マリアがアムルに相当するキャラクターである。シールでは両方が登場する。
- アンドロココ:大倉正章
先の戦いでアノドを封印した伝説の戦士。メカタートル内の天井画には石板を所持している姿が描かれている。セントフォースでフェニックスを守護する。
- ハムラビシーゲル:平野正人
アンドロココと一緒に戦った伝説の4戦士の1人。ティキを守護する。
- スサノオロ士:小林通孝
同じく伝説の4戦士の1人。アスカを守護する。
- シヴァマリア:鶴ひろみ
同じく伝説の4戦士の1人。女性。アムルを守護する。
フェニックスたちを導いてきた謎の乗り物。機内に先代の伝説の4戦士たちとザイクロイド・アノドとの戦いの天井画が描かれている。試練に打ち克ったフェニックスにクロスビーム天聖剣を与えたことも。
[編集] スーパーデビル軍団
- スーパーデビル(デビルゼウス):郷里大輔
天魔界のヘッド。天聖界・天地球の征服を企む。スーパーゼウスとの戦いの中でゼウスを吸収し「デビルゼウス」と名乗る。2枚ある石板のもう片方を所持。ザイクロイド・アノド復活を企むがその役割をリトルミノスに奪われ、後に分離したゼウスから、自分がアノドを封印する伝説の六戦士の一人であるという、本人も予想し得なかった衝撃的で皮肉な事実を告げられる。
- 魔皇サラジン:丸尾知子
スーパーデビルの配下の1人、だが実は数多にある同じ形のプロトタイプの1人に過ぎなかった。
- ダークヘラ:阿部道子
スーパーデビルの配下の1人。妖艶な女幹部。
- 魔スターP:大森章督・ナレーションも兼ねる
スーパーデビルの配下の1人。外見がメカっぽく顔が相当デカい。
[編集] 六聖魔子
6つに砕けた石板を守護する「石板の番人」。カッコ内の名前は試練をクリアした時に姿を現すインナーキャラ。
- ロッキング(ジャンダルム):橋本晃一
石板の欠片を守護する最初の聖魔子。フェニックスと戦う。尚、インナーキャラのジャンダルムはアニメに登場していない。
- ドッジ王(弾・ゴルジュ):池水通洋
2番目の聖魔子。その名の如くフェニックス達とドッジボールで勝負する。
- マハラジャ・ボアボア(アジャシアン・ライラ):宮内幸平
3番目の聖魔子。巨大カジノのオーナー、悪魔軍と結託してイカサマでフェニックスたちを亡き者にしようとするも、最後はアムルのイカサマによって敗北。
- 亀ト師とん甲(フュー・チャンドラー):槐柳二
4番目の聖魔子。占いを得意とする。悪魔軍に連れ去られ仲間になるハメに。
- 哲人トンガラテス(ダイソップ・ぺロ):沢りつお
5番目の聖魔子。フェニックス達に謎かけの試練を与える。
- 石妃デイナス(リザ・ドラゴン):三田ゆう子
最後の聖魔子。善(赤)と悪(青)2つの心に分かれていて、フェニックスとティキの友情を試していた。
[編集] フェニックスを助けるレジスタンス
- スーパーゼウス:石森達幸
天聖界のヘッド。スーパーデビルとの戦いの最中隙を突かれデビルに吸収されるが、後にフェニックス達の活躍でデビルとの分離に成功。実はザイクロイド・アノドを完全に封印する為の6人存在する伝説の戦士の1人だった。
- 魯人フッド:緑川光
赤ん坊のフェニックスを連れて天地球に逃れた。その時に石板が六分割するのを目撃している。 天地球で魔肖ネロの手にかかり倒されてしまう。
- クリスタル天子:林延年
天地球のレジスタンスだが、スーパーデビルに捕えられた上に、洗脳されバイオ悪魔にされてしまう。最期はフェニックスに倒された。
- オーロラ王神:小林通孝
天地球のレジスタンスのリーダー的存在。残った天使達で聖樹王国を建国しレジスタンス活動を続けていた。
- 静女天:富沢美智恵
魯人フッドらと共に天地球のレジスタンスとして戦ってきた天使。サイバーパピヨン拳法の使い手。
- アスタラネモ:鈴置洋孝
海の帝国アクアンヌーンの提督。ティキのお目付け役。石板をアクアンヌーンに持ち帰るのとティキを連れ戻す為に天地球にきた。最初はフェニックス達天使を蔑視していたが、次第にティキと一緒に戦う同士として認めるようになった。
- ヘラクライスト:堀秀行
マーニャによって守護されてきた昔の天使達が創り上げた伝説の巨大聖ボット。起動させるには伝説の4戦士の理力が必要。超念魔でアマゾアムルに操られた事も。セントフォースに覚醒し最期は敵の魔ボット・ギガダロスと自爆した。
- マーニャ:三浦雅子
ひとりでヘラクライストを守ってきた少女。ヘラクライストと会話ができる為、相当な理力の持ち主と思われる。ヘラクライスト亡き後、フェニックス達を慕っていたが・・・・・・。
[編集] 巨魔界神とそれに魅入られた者ども
- リトルミノス:西原久美子
デビルゼウスによって誕生したバイオ悪魔。幼児っぽい外見とは裏腹に非常に狡猾で残虐な性格を持つ。後にデビルを裏切ってザイクロイド・アノドの力を独占することに成功するが、結局はアノドに利用されていただけだった。
- クイーンマジェスティ:金丸日向子
リトルミノスの爪から生れたバイオ悪魔。
- ブラックナイト:林延年
同じくリトルミノスの胸の肉から生れたバイオ悪魔。
- 魔導モーゼット:佐藤正治
ザイクロイド・アノド復活を望む邪悪な意志。デビルゼウス(後にリトルミノス)と結託してアノドを復活させようとした。
- 巨魔界神ザイクロイド・アノド:佐藤浩之
世界を滅ぼそうとする邪悪な破壊神。完全に封印する為には6人の伝説の戦士の理力と2枚の石板が必要。 だが実は世界を創造した超聖神と同一人物であることが最終回で明かされる。
[編集] 主題歌
- OP「スーパーフェニックス~光の世界へ~」
- 作詞:松井亜弥 作曲:清岡千穂 編曲:藤原いくろう 歌:草尾 毅
- ED「時の船」
- 作詞:只野菜摘 作曲:清岡千穂 編曲:藤原いくろう 歌:草尾 毅
[編集] 放送リスト
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[編集] 余談
山口放送では最終回のみ他のテレビ朝日系列とは1時間遅れで放送された。これは、日本テレビの情報番組『ザ・サンデー』の放送を開始するためだった。そして、これの次に放送される『題名のない音楽会』や、これの後釜である『GS美神』でも同じ措置がとられた。これらの措置は、1993年10月の山口朝日放送開局に伴う番組移籍および山口放送の日本テレビ系へのネットチェンジ(テレビ朝日系とのクロスネット解消)まで続いた。
岩手県のテレビ局ではほぼ数週間遅れで放映されていたが、なぜかアマゾアムルが仲間になった回で一旦放映を打ち切り、暫くたったのち、一話から放送を再開するといった珍事がおきている。岩手県では放映料金の関係で昔からアニメなどはリアルタイムで放映されず、間違いなく視聴率の取れる番組以外は価格が安くなってから放映権を買っているので、それが理由と思われるが、定かではない。
漫画版の原作者おちよしひこ氏はロボットアニメやファンタジーゲームのファンである。自身の単行本特設ページによると、漫画版の聖ボットヘラクライストは、サンライズの勇者シリーズ、勇者エクスカイザーの主人公エクスカイザーがイメージモデルであると書かれている(一応伏字はしているが)。魔ボット・ギガダロスに関しては、量産型の戦闘シーンは同作品のライバルキャラ・ダイノガイストをイメージしている。
[編集] 外部リンク
ビックリマン通史 -スーパービックリマン-[1]
朝日放送 日曜朝8時30分枠のアニメ | ||
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