スポック
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
スポック/ミスター・スポック(Spock / Mr. Spock)は、『スタートレック』シリーズの登場人物である。演じたのは、映画シリーズ第3作で監督も務めたレナード・ニモイ。日本語版での声は久松保夫。
「スポック」というのは本名ではない。正統なバルカン名は地球人には発音しにくいため付けられた呼び名である。 また苗字は脚本家D・C・フォンタナが、無理にアルファベット表記すると "XTMPRSQZNTWLFB!" である、としている。
テレビ版『宇宙大作戦』では宇宙船エンタープライズ号の副長兼科学主任として、また、映画シリーズではジェイムズ・カークの後任として同号の艦長にもなった(ただしカークが同乗するときは、彼を最高指揮官とした)。
[編集] キャラクター
『宇宙大作戦』製作初期には、とがった耳や皮膚の色などの「悪魔的な外見」や、テレビドラマにおいて異星人がレギュラーになった前例がない事などから局側はレギュラーから外すよう求めた。しかし製作者であるジーン・ロッデンベリーは、人類以外のキャラクターを置くことでエピソードをより発展させられると考え、スポックのキャラクターを残すこととした。
バルカン人には感情がないと設定されているが、パイロット版においては設定が固まっておらず、スポックの笑顔が見られる。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] 人物
2230年、バルカン人の父サレクと地球人の母アマンダ・グレイソンとの間に生まれた。幼少時代をバルカン星で過ごしたためか、感情の起伏が少ないことや論理に基づく考え方をもつなど、振る舞いはバルカン人そのものである。バルカンに婚約者がいたものの、彼女が破談を望んだ結果、彼女の代理人として指名されたカークと決闘する羽目に陥った事がある。
宇宙艦隊へ入るにあたり父のサレクと反目し、以後 18 年間サレクと会話しなかった。
エンタープライズに配属されたのはカークより早く、当時の艦長はクリストファー・パイクだった。カークたちに対しては彼なりに友情を抱いているらしいが、普段は地球人の感情に基づく言動を非論理的と否定している。
映画シリーズ第2作で、単身、放射能汚染されたエンジンルームの中に身を投じて、見事にエンタープライズの危機を救ったが、その代償は彼自身の死とあまりにも大きかった。遺体は宇宙葬にされたのち、ジェネシスの発動によって誕生した惑星に降下した。
しかし映画シリーズ第3作で、スポックはジェネシスの細胞再生によって蘇生し、さらに惑星の急激な成長スピードの影響を受けて、急激に成長した(7年ごとのボンファーを短時間で数回も経験)。惑星を離れることによって急速な成長が治まり、また死の直前にレナード・マッコイに託していたカトラ(魂)との再融合を果たした。
その後は再び艦隊士官として過ごすが、『新スタートレック』では惑星連邦の駐バルカン大使として登場。バルカン人とロミュラン人の再統一を目指して活動する姿が描かれている。
[編集] 配役
スポック役は当初、マーティン・ランドーにオファーされていたが、役柄がランドー自身のキャラクターに合わないとして断られてニモイにオファーされた経緯がある。 その後ランドーは『スパイ大作戦』のローラン・ハンド役で出演して一躍お茶の間の人気者となり、皮肉にもニモイは出演料などの契約の食い違いで降板したランドーの後を継いでアメージング・パリス役で『スパイ大作戦』に2年間出演している。