スタータイド・ライジング
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『スタータイド・ライジング』はアメリカのSF作家、デイヴィッド・ブリンによって1983年に発表されたSF小説。『サンダイバー』から始まる「知性化シリーズ」の2作目に当たる。ヒューゴー賞及びネビュラ賞受賞。日本語版はハヤカワ文庫から上下巻で刊行されている。
本作の一部分は1981年にAnalog誌で「"The Tides of Kithrup"」として短編が発表されている。
[編集] あらすじ
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
超光速航法を開発し太陽系外に進出した人類は、超空間を通してつながっている5つの銀河系が、列強諸族と呼ばれる幾つもの異種生命体たちによって制覇されていることを知る。それら列強諸族は下等動物を知性化して自らの従僕「類族(クライアント・レース)」とし、彼らの「主族(パトロン・レース)」として君臨していた。列強諸族自身、かつては類族であり自らの主族によって知性化された存在であった。知的生命体は全て知性化されたもので、その知性化の流れは伝説的な存在「始祖」によって始められたとされる、侵すべからざる神聖な掟であった。
始祖を除いて独力で超光速航行を達成した種族はまったくおらず、むしろあり得ないこととされており、列強に"発見"された段階で、チンパンジーの知性化を完了し、イルカの知性化に手を付けていた人類は主族を持たないということで異端視され、2・3の系列を除いて列強諸族からは迫害を受けていた。
そのような背景の中で、知性化されたイルカをメインクルーとする外宇宙船ストリーカーが銀河辺境を訓練航行中、偶然にある発見をする。それは一隻が月ほどもある巨大宇宙船団の遺跡であった。その古さ(数十億年前)と規模から伝説の始祖の船団であろうと推測されるそれらの情報を、軽率なクルーが地球に向けて送信したために、その内容が列強諸族によって傍受されてしまった。
始祖への接近は種族間のヘゲモニーに計り知れない影響を与えるため、列強諸族はストリーカーを拿捕し、その情報を独占すべく、艦隊を出動させた。追われるストリーカーは逃走中にダメージを受け、海洋惑星キスラップの海底に潜伏した。キスラップ宙域には列強諸族が殺到し、互いに戦端を開きつつあった。ストリーカーは混沌とする宙域のなか、強力な列強艦隊から逃れることが出来るのか…。
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