ジャマイカ風カレー
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ジャマイカ風カレー(—ふう—)は、中米・ジャマイカ国内で親しまれているカレー料理。ジャマイカではカレードチキンという呼称で呼ばれている。
元来ジャマイカは、植民地支配を経験したり、貿易流通の通過点という役割を担った関係上、食材は多国籍に存在し、こうした背景もあってカレー文化も独自に発展したと考えられている。とくに、スパイスを求めたヨーロッパから持ち込まれたナツメグ、イギリスを経由しインド人の食文化が持ち込まれた結果、アジア原産のココナッツやさとうきびがジャマイカを代表する食材として定着。さらにはスペインの奴隷階層(アフリカ人)によって持ち込まれたヤム芋は、いまやジャマイカの主食である。
こうした豊かな素材は、カレーという食文化を一層盛んにしたものと推察できる。ジャマイカのカレーは、スパイスを調合する方法ではなく、英国式に近いブレンドされたカレーパウダーを使う。現地のスーパーマーケットでは、専用のカレーフレークも出回っており、家庭でも手作りで作ることが可能なのである。おもに鶏肉が使われるのが一般的だが、なかにはカレードゴートと呼ばれる「山羊肉」を使ったカレーも知られる。
また、ハムとほうれん草を使う緑色に近いカレーもある。いずれも、タイムにレッドペッパーで仕上げる作り方で、たくさんのスパイスを加える事もないので辛さは強くはない。
余談ながら、カレー料理だけでなくビーフシチューやスープ料理も充実しており、日本人にとっては味覚の感覚も近い。