ジェノヴァ共和国
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ジェノヴァ共和国(ジョノヴァきょうわこく)はジェノヴァを中心にして発展した海洋都市国家。
10世紀中頃を起源としてヴェネツィア、ピサ、アマルフィなどの他の海洋都市国家と対抗しながら地中海において繁栄した。中世には、コルシカ島、カッファなどのクリミア半島南岸諸都市、コンスタンティノポリスの金角湾北部、イスラーム統治下のイベリア半島諸都市などに植民地あるいは商館を築くなど、地中海の覇権をヴェネツィアやオスマン帝国と争った。しかしこの覇権競争および国内諸問題によって国力は衰退し、大航海時代の開始と共に貿易の軸が大西洋に移ったことでその繁栄は失われていった。1797年にナポレオン・ボナパルト率いるフランス軍に侵攻され、その傀儡国家であるリグリア共和国となり、1805年にはフランスに併合、ナポレオン失脚後のウィーン会議後も共和国であったため回復させてもらえず、ウィーン議定書によりサルデーニャ王国へ編入され、独立を失った。
[編集] 関連項目
[編集] 参考文献
- 大塚久雄「ジェノヴァのコンペラ、特にサン・ジョルジオの企業形態」『株式会社発生史論』 初版 有斐閣 1938年
- 亀長洋子『中世ジェノヴァ商人の「家」―アルベルゴ・都市・商業活動』 刀水書房 2001年
- 同「中世ジェノヴァ人の黒海-多元性のトポスとして-」『宮廷と広場』東京大学出版会 2002年
- 同 「キオスに集う人々―中世ジェノヴァ人公証人登記簿の検討から」『港町と海域世界』(シリーズ 港町の世界史1) 青木書店 2006年
- 清水廣一郎「ジェノヴァ・キオス・イングランド」『中世イタリアの都市と商人』 洋泉社 1989年
- 宮崎和夫「スペイン王権支配下のグラナダ「王国」と地中海交易」『国際商業
』(シリーズ 近代ヨーロッパの探究9) ミネルヴァ書房 2002年
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