クレアチン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
クレアチン (NH2-C(=NH)-N(CH3)-CH2(COOH)) とは、1-メチルグアニジノ酢酸(あるいはメチルグリコシアミン)のことで、アミノ酸の一種である。略号は Cr。筋肉中に存在する。
クレアチンは生体内において4-ホスホクレアチン(クレアチンリン酸)に変換され、エネルギー源として貯蔵される(後述)。そのため、瞬発力を必要とするスポーツなどに有効といわれており、クレアチンパウダーが江崎グリコなどのメーカーから栄養成分強化食品として販売されている。
クレアチンの代謝産物がクレアチニンで、腎機能の評価に利用される物質として代表的である。
[編集] 物性
- 分子量 131.13
- 等電点
- 溶解性
- 溶解度
- ファンデルワールス半径
- 味
- CAS番号 57-00-1
[編集] 生合成
アルギニンとグリシンより、グリシンアミジノトランスフェラーゼ(EC 2.1.4.1)、グアニジノ酢酸-N-メチルトランスフェラーゼ (EC 2.1.1.2) の作用により合成される。この反応は主に肝臓にて行われる。
EC 2.1.4.1 L-arginine + glycine -> L-ornithine + guanidinoacetate
EC 2.1.1.2 S-adenosyl-L-methionine -> guanidinoacetate = S-adenosyl-L-homocysteine + creatine
guanidinoacetate グアニジノ酢酸
クレアチンはさらにクレアチンキナーゼ (EC 2.7.3.2) の作用により、ATP1分子を消費して4-ホスホクレアチンに変換される。この反応は筋肉組織にて行われる。
EC 2.7.3.2 ATP + creatine -> ADP + phosphocreatine
4-ホスホクレアチンは筋肉のように瞬時に多量にエネルギーを消費する器官において、高エネルギーリン酸結合の貯蔵物質として働く。組織中で消費された4-ホスホクレアチンはリン酸を1分子解離して、クレアチンに戻るか非酵素的反応でクレアチニンに変化する。クレアチニンは最終的には尿中に排泄される。
なお、アルギニンからクレアチニンに至る経路をクレアチン経路という。
[編集] 関連項目
カテゴリ: 自然科学関連のスタブ項目 | アミノ酸 | トレーニング法