ギニーピッグ
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ギニーピッグ(Guinea Pig)
- 実験動物、モルモットの事。詳細はテンジクネズミを参照。
- 日本のホラービデオ作品。以下で詳述。
ギニーピッグは、日本のビデオ作品シリーズである。 特撮技術の粋を集め、人体を切断するなどの残酷描写を主眼に置いた作品である。
1985年に第一作『ギニーピッグ 悪魔の実験』が発売されて以来、オリジナル作品が全7作、総集編が全3作製作されている。シリーズの初期作品は、主にストーリー性は存在せず、残酷描写がメインであったが、シリーズ末期には残酷描写は存在するものの、ドラマ仕立てのストーリー性が主軸に置かれるようになった。
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[編集] 概要
映画界では、1970年代より海外ではスプラッタと呼ばれる残酷描写を主にしたホラー映画が多数製作されており、社会現象とも言える様相を呈していた。その中で、一部の愛好家たちには「本物の殺人シーンを記録したフィルムが存在する」という噂が流れ、一般的にはスナッフフィルムと呼ばれその存在が信じられていた。それに応じて、各映画会社も本物の殺人シーンを収録しているとして、各種のホラー映画が上映されている。当然、これらの作品は全てがフェイクであり、実際には特撮技術によって作成されたものであった。
日本では1980年代に入ると、ビデオデッキの普及に伴いレンタルビデオショップが急増する。それによって、テレビでは放映できなかった猥褻な描写や残酷な描写を主軸に置いたビデオ作品が台頭するようになる。その最中、国内において初めて残酷、スプラッタ表現を行ったのがこのシリーズである。それまでに無かった特殊技術を使用したリアリティーのある内容に、賛否両論を巻き起こしながらも愛好家たちに評価され、続編が次々と製作されていく。
しかし、1989年に発生した幼女誘拐殺人事件の犯人宮崎勤がこの作品を所持していたことから、事件に影響を与えたのではとの憶測が広がり、ワイドショーなどで検証が行われ、世間から激しく糾弾され廃盤に追い込まれてしまう。またこの騒動により、大手のレンタルビデオ店がこの作品を廃棄し、一般的には封印されてしまうこととなる。ただし、こうした流れが作品の希少性を産み、逆にマニアの間では高額で取引されるようになるという皮肉な現象も起こった。
現在も作品は封印状態のままだが、全てのレンタルビデオ店がこの作品を廃棄したわけではなく、また販売された物も回収されたわけではないので、どうしても見ることが出来ないというほど、希少性があるわけではない。特に、あまり人気のない後期の作品は探せば意外と簡単に見つけることが出来る。また、どういう経緯かは不明だが、2005年アメリカでDVDのボックスセットが発売された(現在はバラ売りもあり)。これにより、比較的入手が困難であった1作目2作目を含め、全ての作品を見ることがかなり容易になった。
※2006年8月27日に約20年の歳月を破り、日野日出志が解説する中、ついに劇場上映された。
[編集] 事件
- 「ギニーピッグ2」の収録において使用された血糊の付着したベッドが川に不法投棄され、何らかの事件と間違われ警察沙汰になる。
- アメリカの俳優、チャーリー・シーンが「ギニーピッグ2」を見た際に、本物のスナッフ・ビデオと思い込みFBIに通報したという噂がある。
- イギリスの青年がこの作品のビデオを輸入しようとした際、税関にスナッフビデオと勘違いされ、逮捕されている。
[編集] 作品
[編集] ギニーピッグ 悪魔の実験
- 1985年、オレンジビデオハウス
- 監督・出演:不明
[編集] ギニーピッグ2 血肉の華
- 1985年、オレンジビデオハウス
- 監督:日野日出志
- 出演:田村寛、夕顔きらら
[編集] ギニーピッグ3 戦慄! 死なない男
[編集] メーキング・オブ・ギニーピッグ
- 1986年、オレンジビデオハウス
[編集] ギニーピッグ4 ピーターの悪魔の女医さん
[編集] メーキング・オブ・ピーターの悪魔の女医さん
- 1986年、オレンジビデオハウス
[編集] ザ・ギニーピッグ マンホールの中の人魚
[編集] ザ・ギニーピッグ2 ノートルダムのアンドロイド
[編集] LSD -ラッキースカイダイアモンド-
[編集] ギニーピッグ 惨殺スペシャル
- 1991年、MADビデオ(販売元:V&Rプランニング)