カルパティア山脈
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
カルパティア山脈(カルパティアさんみゃく)(カルパチア山脈とも;チェコ語・スロバキア語・ポーランド語:Karpatyカルパートィ:ウクライナ語:Карпатиカルパートィまたは特にウクライナ領に関しУкраїнські Карпатиウクライィーンスィキ・カルパートィ;ルーマニア語:Munţii Carpaţi;英語:Carpathian MountainsまたはCarpathians)は、中央ヨーロッパ・東ヨーロッパの山脈。主にスロバキア、ポーランド、ウクライナ、ルーマニアと、周辺のチェコ、ハンガリー、セルビアにわたる。全長約1500 km、最高峰はスロバキアの最高峰でもあるゲルラホフスカ山 (2663 m)。カルパート山脈とも。
カルパティアの名は、古代スラヴ語のChorwat、Chrbat(山脈)に由来する。
スロバキアのブラチスラヴァ付近から北東に延び、東、南東へ向きを変えルーマニア中部のトランシルヴァニアに達し、さらに西、北へと向きを変える。
アルプス・ヒマラヤ造山帯に属する新山系だが、アルプス山脈ほど険しくはない。
[編集] 各部
以下の部分には、固有の名称がある。
- タトラ山脈
- ビソケタトリ (Vysoké Tatry) とも。
- 北西部。チェコ、スロバキア、ポーランドの国境地帯を東西に走る。最高峰はスロヴァキアのゲルラホフスカ山 (Gerlachovský štít, 2663 m)。
- ベスキディ (Beskydy)
- 北東部。スロバキア、ポーランド、ウクライナの国境地帯を北西‐南東に走る。最高峰はポーランド・スロヴァキア国境のバビヤ・グラ (Babia Góra, 1724 m)。
- トランシルヴァニア山脈
- トランシルヴァニア・アルプス、南カルパティア山脈とも。
- 南部。ルーマニア中部を東西に走る。最高峰はネゴイ山 (Vârful Negoiu, 2548 m)。トランシルヴァニア高原の南縁をなす。
- トランシルヴァニア高原
- トランシルヴァニア盆地とも。
- ルーマニア中部でカルパティア山脈南部が凵字型に屈曲した部分に囲まれた、三角形の高原。
なお、西カルパティア山脈、東カルパティア山脈という用語もあるが、山脈が長く屈曲しているため、
- ルーマニア部分に着目し、トランシルヴァニア山脈より西が西カルパティア山脈、東が東カルパティア山脈(図)
- 東西、北西‐南東に延びている部分に着目し、タトラ山脈とベスキディ山脈が西カルパティア山脈、ルーマニア部分が東カルパティア山脈
と、指す範囲は一定しない。