カイル・クーパー
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カイル・クーパー(Kyle Cooper, 1963年 - )は、映画のタイトルデザイナーで映画監督。イェール大学卒業。
映画の冒頭に必ずある、映画の題名、主なスタッフ・キャストの名前、映画会社の名前などが流れるオープニング・クレジットの映像を制作するモーション・グラフィック・デザイナー。彼の作り出す映像はスタイリッシュと定評がある。それだけではなく、彼の作り出すタイトルムービーはその映画の趣旨や雰囲気をよく考えており、その映画にぴったりな映像であると評価されている。タイトルムービーを芸術にまで高めた人物とも言える。
[編集] 経歴
1963年、ペンシルバニア州ワシントン郡ファローフィールド生まれ。小さい頃からコミック誌を読みふけり、空想を画を描く事に馴染んで、彫刻家になる事を夢みて育った。イェール大学でグラフィック・デザインを学び、エイゼンシュテインのモンタージュ技法に関する卒論を執筆し、修士号を得る。その後、リチャード・グリーンバーグのプロダクションR/GA(R/Greenberg Associates)に入り、『ニューヨーク・ストーリー』のマーティン・スコセッシ監督によるエピソードで、初めてタイトル・デザインを担当した。クーパーの名を世に広く知らしめた『セブン』は、R/GA在籍中最後期の作品の1つである。文字が震えるような描写は多くの映画、TV、CMなどで飽きるほど模倣された。
- グリーンバーグはタイトル・デザイナーでもあり、R/GA入社も『エイリアン』や『アルタード・ステーツ/未知への挑戦』を観た事で決めたという。『スーパーマン』(1978年作品)のタイトルもグリーンバーグの仕事であり、クーパーは『スーパーマン・リターンズ』でグリーンバーグのスタイルを踏襲したタイトル映像を作り出している。
その後、R/GAの仲間と共にImaginary Forcesを設立して独立。タイトルだけでなく視覚効果製作にも進出し、作風もより個性的になっていく。クーパーは日本でも知られるようになり、日清食品のカップヌードルのCMの監督として抜擢された。
2003年にImaginary Forcesから退き、『エンジェルス・イン・アメリカ』以降は新会社Prologue Filmsで活躍している。
「ソウル・バスの再来」と称される事も有るが、本人によるとタイトル・デザイナーを志すきっかけになった作品は、スティーブン・フランクフルトによる『アラバマ物語』(1962)であったという。
[編集] 主な作品
- 『不滅の恋/ベートーヴェン』(1994)
- 『リッチー・リッチ』(1994)
- 『セブン』(1995)
- 『ニクソン』(1995)
- 『アメリカン・プレジデント』(1995)
- 『ダーク・ストリート/仮面の下の憎しみ』<未>(1995)
- 『ブレイブハート』(1995)
- 『101』(1996)
- 『僕のボーガス』(1996)
- 『ザ・ファン』(1996)
- 『イレイサー』(1996)
- 『ミッション:インポッシブル』(1996)
- 『ツイスター』(1996)
- 『タンク・ブラザース/脱線ファンに御用心』<未>(1996)
- 『D.N.A』(1996)
- 『ミミック』(1997)
- 『スポーン』(1997)
- 『フェイク』(1997)
- 『ナイトウォッチ』(1997)
- 『ネゴシエーター』(1997)
- 『フラバー』(1997)
- 『アベンジャーズ』(1998)
- 『交渉人』(1998)
- 『マスク・オブ・ゾロ』(1998)
- 『モンタナの風に抱かれて』(1998)
- 『狂っちゃいないぜ』(1999)
- 『隣人は静かに笑う』(1999)
- 『恋は嵐のように』(1999)
- 『ハムナプトラ/失われた砂漠の都』(1999)
- 『メタルギアソリッド2』(2001)
- 『スパイダーマン』(2002)
- 『ドリームキャッチャー』(2003)
- 『ゴジラ FINAL WARS』(2004)
- 『ドーン・オブ・ザ・デッド』(2004)
- 『スパイダーマン2』(2004)
- 『メタルギアソリッド3』(2004)
- 『奥様は魔女』(2005)
- 『スーパーマン リターンズ』(2006)
- また、2001年に『ニューポート・サウス』という映画を監督もしている。。
カテゴリ: アメリカ合衆国の映画監督 | グラフィックデザイナー | CMディレクター | 1963年生