アンギラス
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アンギラス (Anguirus) は、東宝ゴジラ映画シリーズに登場する架空の怪獣。ゴジラと同じく原水爆の影響で蘇ったとされる太古の恐竜で、ゴジラシリーズ初の怪獣同士の対決となった怪獣でもある。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
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[編集] 特徴
1億5千万年前に棲息していたアンキロサウルスと呼ばれる恐竜が、水爆実験によって巨大な怪獣となったもの(ただし、実在した同名の恐竜が草食だったのに対しこちらは肉食であるなど、類似点はほとんど無い)。脳が体中に分散している(実際は脳同様の働きをする神経塊)ために、動きが俊敏である。
初代は凶暴な性格であったが、『怪獣総進撃』から登場した2代目は温厚で、ゴジラのよき相棒といった印象をうける。地味ながらファンには根強い人気がある。初登場作が大阪が舞台の『ゴジラの逆襲』ということもあって、特に大阪人からの人気が高い。
『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』にもバラン、バラゴンとともに出演予定だったが、俗に言う「大人の事情」でバランと共にボツとなった。
[編集] 登場作品
公開順。
- 『ゴジラの逆襲』(1955年)
- 『怪獣総進撃』(1968年)
- 『地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン』(1972年)
- 『ゴジラ対メガロ』(1973年)
- 『ゴジラ対メカゴジラ』(1974年)
- 『ゴジラ FINAL WARS』(2004年)
- 『ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃』にはライブフィルムとして登場した。
[編集] ゴジラシリーズ(昭和)のアンギラス
(各作品・ならびに初代 & 2代目共通)
- 身長:60メートル
- 全長:100メートル
- 体重:3万トン
[編集] 『ゴジラの逆襲』のアンギラス(初代)
アンキロサウルスが水爆実験の影響で目覚めたもの。同族以外には激しい憎悪を抱く非常に凶暴な性質で、岩戸島でゴジラと戦った後、ゴジラを追って大阪に上陸し、大阪城でゴジラと激しく戦った。体高もゴジラより大きいと恐れられたが、ゴジラと共に大阪城に激突し、結局最後はゴジラにのどをかみ切られて絶命した後、熱線によって焼かれた。原作では、アンギラスはゴジラと同じ熱線を吐く事が出来たが、映画ではその様な描写はない。
[編集] 『怪獣総進撃』から『ゴジラ対メカゴジラ』までのアンギラス(2代目)
2代目のアンギラスで初代とは違い凶暴ではなく温厚。怪獣ランドの怪獣として登場し、キラアク星人に操られた。その後、富士のすそ野で全怪獣でキングギドラと戦い、右首に噛みつく(キングギドラが飛び上がっても離さず、落とされた後も右首を集中攻撃した)などして奮戦し、撃退する(このときバラン、マンダ、バラゴンは富士のすそ野に合流したものの、直接戦いには加わらなかった)。
また、『地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン』ではゴジラの相棒として宇宙から来たキングギドラやガイガンと戦った。2匹に敗れそうになったが、最後は宇宙へ追い返した。 その後『ゴジラ対メカゴジラ』まで幾度も登場するが、メカゴジラ扮するニセゴジラの異変を察知するもコテンパンにされて逃走してしまった。 ラドンやモスラを含めた「ゴジラの相棒的な怪獣」としては他の怪獣が欠席続きの中、唯一最後まで登場した。余談だが『怪獣総進撃』以降の映画では他の怪獣がライブフィルムでの登場が多かったにもかかわらず、アンギラスは新撮で登場していることが多い(『ゴジラ対メガロ』でも冒頭の出番はしっかり新撮である)。
[編集] 『ゴジラ FINAL WARS』のアンギラス
- 体長:180メートル(尾を含む)
- 体高:40メートル(直立時:90メートル)
- 体重:6万トン
上海に出現、体を丸めて高速で跳ね転がるという、過去の作品にはなかった戦い方を見せた。本作に登場したアンギラスはこれまでと比較するといくらか丸みを帯びており、アルマジロの意匠を新たに取り入れたものである可能性を劇中の台詞から推測することができる。X星人に操られ上海を襲撃、地球防衛軍の空中戦艦火龍と戦いを繰り広げるが、戦いの最中のX星人の手によって一度は消滅する。しかし、地球侵略の意図を明らかにしたX星人が再び怪獣達を地球に投下すると再度上海を蹂躙。結果火龍の奮戦むなしく上海は灰燼に帰した。
その後日本に上陸したゴジラをラドン、キングシーサーと共に富士の樹海で待ち受けるが、三位一体の攻撃はあっさりジャンプでかわされ、アンギラスは踏み台にされてしまった。続くラドンとの連係攻撃により、アンギラスボール(暴龍怪球烈弾)として一度はゴジラに命中したものの、二度目はゴジラによけられラドンと衝突。さらに空中にはじかれた状態からキングシーサーにシュートされ、ゴジラのセービング(?)も及ばず岩盤に激突。最後は飛び膝蹴りをかわされたキングシーサーにぶつかられて、共に伸びてしまった。