こわれもの
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こわれもの | ||
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イエス の アルバム | ||
リリース | 1971年11月1日 (UK) 1972年1月4日 (US) |
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録音 | 1971年9月 | |
ジャンル | プログレッシブ・ロック | |
時間 | 41:16 | |
レーベル | アトランティック・レコード | |
プロデュース | イエス、エディ・オフォード | |
レビュー | ||
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イエス 年表 | ||
サード・アルバム (1971年) |
こわれもの (1971年) |
危機 (1972年) |
こわれもの(Fragile)は、イギリスのプログレッシブ・ロックバンド、イエスの4作目のアルバム。デヴィッド・ボウイ、T.レックス、ブラック・サバスなど多くのレコーディングに参加し、ストローブスのメンバーとしても注目を浴びていたリック・ウェイクマンが加入した。後に黄金期メンバーと呼ばれるラインナップになった最初の作品で、数あるイエスのアルバムの中でも最高傑作の一つとされている。
アンサンブルと各メンバーのソロ曲が絶妙に配置されており、ひとつの作品として見事に構成されている。ソロ曲は以下の通り。
リック・ウェイクマンがブラームスの交響曲第4番第3楽章をキーボードで多重録音した「キャンズ・アンド・ブラームス」。
ジョン・アンダーソンがやはりヴォーカルの多重録音をした「天国の階段」。
ビル・ブラッフォード作曲の「無益の5%」は32小節の小曲で、バンド演奏をしている。このタイトルは、前任のマネージャーに支払い続けなければならないロイヤリティについての皮肉。
クリス・スクワイアの「フィッシュ」は7拍子の曲で、「遥かなる思い出」とメドレー形式になっている。タイトルはスクワイアのあだ名で、その由来は彼が長湯(という言い訳)をしてしょっちゅう遅刻し、バンドのスケジュールを狂わすところから来ている。
スティーヴ・ハウの「ムード・フォア・ア・デイ」は、前作での「クラップ」に続くアコースティック・ギター・ソロ。今回はフラメンコタッチの演奏をしている。
アンサンブルでは「ラウンドアバウト」「燃える朝焼け」というイエスを代表する2曲と、それらに埋もれがちではあるが優れた小品「南の空」「遥かなる思い出」が収められている。 「ラウンドアバウト」はシングルカットされ、大ヒット。プログレという枠だけでなく1970年代ロックを代表する名曲として認知されている。
目次 |
[編集] 収録曲
- A面
- ラウンドアバウト Roundabout (Anderson - Howe)
- キャンズ・アンド・ブラームス Cans and Brahms (Brahms)
- 天国の階段 We Have Heaven (Anderson)
- 南の空 South Side of the Sky (Anderson - Squire)
- B面
- 無益の5% 5% for Nothing (Bruford)
- 遥かなる思い出 Long Distance Runaround (Anderson)
- フィッシュ Fish (Squire)
- ムード・フォア・ア・デイ Mood for A Day (Howe)
- 燃える朝焼け Heart of the Sunrise (Anderson - Squire - Bruford)
[編集] リマスター盤
2003年にCDのリマスター盤が発売された。音質の向上が図られている他、「アメリカ」と「ラウンドアバウトのアーリー・ラフ・ミックス版」が追加収録されている。
[編集] DVD-audio盤
2006年現在、全盛期である1970年代のイエスの作品の中で、唯一DVDオーディオ化されている(それ以外では、2001年にリリースされたマグニフィケイションがDVDオーディオ化されている)。マルチトラックから5.1chでリミックスされ、さらに96Khz/24bitでマスタリングされているので、CDとは次元の違う高音質で聴く事が出来るが、かなり高性能のオーディオ装置を使わないと、逆にバランスが悪くなる事例も報告されているので、別物として捉えるべきだという意見が多い。ボーナス・トラックとして「アメリカ」が収録されている。尚、ドルビーデジタルやdts音声も収録されているので、DVDオーディオに対応していないプレイヤーでも再生は可能。
[編集] レコーディング・メンバー
- ジョン・アンダーソン Vocals
- スティーヴ・ハウ Guitars,Vocals
- クリス・スクワイア Bass,Vocals
- ビル・ブラッフォード Drums,Perc
- リック・ウェイクマン Keyboards